中小企業だからこそわかる「強みと弱み」「メリットとデメリット」の感じたことを書いてみました。
何かの参考になれば幸いです。
CONTENTS
1.中小企業の「強み」
2.中小企業の「弱み」
3.大企業と中小企業の「違い」
1.中小企業の「強み」
生き残るために、他社がしていないことを探す
中小企業は、生き残るために他社がやっていないことを開拓しよう探します。最初は多角化になるかもしれない。色んな事業に手を出すかもしれない。しかし時間が経つに連れ、結果が出ない事業は撤退する。そして「選択と集中」が始まる。とにかく中小企業は資金に余裕がない。太刀打ちできない事業はさっさと撤退。
その反面、「これは!」と思うものには社運を賭けて資金、人員、設備等を全力で注入します。豊富な資金が有る訳ではない。ひたすらその分野を追求せざるを得ない。おのずとニッチな専門分野になっていき、結果オリジナル製品が生まれます。
スピードと対応の早さで勝負という意識がある。
中小企業は、安定性、社会的信用力、ブランド力・・・等、優位性がないものは沢山あります。何で勝負するか・・・といったら、最初はスピードと対応力で補っていかなくてはいけない。価格差もあまりなければ、きめ細やかな対応しかない。お取引先さんとのコミュニケーションは重要になってきます。
見積はなるべく早く提示し勝負!!
なぜかって、大手の無茶ぶり依頼 (笑)に即対応が求められるからです。
「今、すぐ、今日中、大至急」なんてこともあります。そこに間に合わせないと、話が進まない。
皆様、必死に頑張っています。
どん底に追い込まれようが、社長の情熱で乗り越えられることが多い
中小企業の社長は権限と自由度が高く、社長の方針が強く影響します。特に新規事業に関しては失敗の許容範囲も広く、社長の懐の深さ、情熱次第で継続ができます。
社長の「なんとかする!」という意思が、現場担当者に伝わり活気が生まれます。
そうするとどんな困難も乗り越えられそうな気がする・・・。
距離が近いから「社長!」と呼びやすい
なんといっても社長との距離が近い。
この距離は従業員だけでなく、お取引様同士でもそう感じます。社長自身が営業というスタイルも多いので、社長とお取引先様担当者というメールのやり取りも少なくない。そうなると情報が社長に伝わり易く、意思決定が早い。そして従業員と距離が近い社長は、社長の意思がそのまま伝わる。
そう思うと、中小企業の方が深いコミュニケーションが取りやすいのかな?
閲覧者からの声!!
経営者の方は取り巻きを作らないでほしい・・・と、訴えていました。
管理人:閲覧者の声は本音だなぁ・・。(笑)
中小企業しか利用できない補助金がある
自治体の情報にアンテナを張っていないと気が付かないことも多いが、中には中小企業しか利用できない補助金制度があり、活用することができる。内容は様々あり、給付金、開発、人材、HP作成などなど様々ある。
とくに「ものづくり」では、開発資金が重要になってきます。会社規模に応じて、助成率が1/2が2/3になったりします。
ありがたい!!
入社後、いきなり即実践。大変だけれど学べる。
幅広く実践を学びたいなら中小企業。大きな仕事をしたいなら大手企業。そんな気がします。
正直教育も丁寧でないし、そんな余裕がない。一人一人の仕事分野が幅広い。担当業務以外のこともしなくてはならない。
でも数年たてば、気が付いたらあらゆる知識が増えていることに気が付きます。
私自身も「いつの間にこんなに出来るようになっていたんだろう・・・」と感じました。
そして十分な専門性が身についています。
規模が小さいからこそ、周りを気にしなくてよい
大企業になればなるほど、国や業界、お取引様との関係は大事にしなくてはいけない。
規制、社内ルール、業界ルールが無視できなくなる。
つまり、規制やルール内で出来ることしか開発できない。
このことは、開発内容の選択肢を狭めている。大企業ほど、大きな事はできるが開発内容は限られてくる。
中小企業は、縛られるものが少ない。このことは実は開発には有利に働く。
規制やルールって、自由を奪うし、選択肢も狭める。
だから、中小企業は自由な発想で、挑戦できます。
大企業は、失敗が許されない。
「失敗」は誰しもしたくはない。
大企業ほど従業員が多いからこそ、「失敗は許されない」という厳しさがある。
だからすべてにおいて慎重にならざるを得ない。小さなプロジェクトは認めてもらえない。
何かに挑戦するときに、「思いっきりさ」が重要。
中小企業は、致命傷にならない限りは社長に怒られれば大抵のことは許される。
この差は大きいと思います。
柔軟性があるから、現状を否定できる
「イノベーションのジレンマ」を勉強して感じたこと。
大企業は既存技術の利益が出ている限り、その技術から簡単に脱却できない。
「この方針はや~めた!」が出来ない。
もしくは、「新技術を取り入れよう!!」と思っても出来ないことが実は多い。
進化していく中で、必ず新技術が誕生し「方針転換」は余儀なく行われる。
小さいからこそ、方針転換がしやすい。これもメリットです。
お取引先様の悩みを第一優先
もう、経験談で書いてしまうことにする。
極端な事を言うと、中小企業はお取引先第一優先。大企業は社内ルールが第一優先。
この差が、結果としてスピード感の違いを生む。
お取引先様からご要望や問い合わせがあると中小企業は自分で判断しなくてはいけないから対応が早い。だけど、大企業は上層部の許可が必要。社内ルールや安全性が優先。結果対応が遅くなる。
中小企業が2~3日で済むことが、大企業は1か月かかることもある。
このスピード感は、本当に中小企業にとって強いと思う。
2.中小企業の「弱み」
大きな仕事はできにくい。
自転車操業も多く、余裕持った資金が確保できないのは辛いところである。
赤字決算が続けば融資も厳しく、信用度も下がります。また生産性を求められば、場所、設備、人員を確保しなければならない。こういった対応は正直難しいと思う。キャパを超えた仕事量は、やはり難しいと思います。
数年先がどうなるか見えにくい
まずは会社規模は調査されてしまいます。大きなプロジェクトほど社会的信用性は重要視され、数年先が見えなければ仕事は受けれません。金融機関からの融資は受けにくく、大手企業との直接口座も開くことができません。設立年数は重要です。10年以上は、少し信用力が増すと思います。
ブランド力をあげる努力をしなくてはいけない
知名度・ブランド力の低さは、取引上あらゆる場面で不利なことが多いです。取引が出来ない、融資が受けられない、価格競争では値段を下げざるを得ない・・・。採用にも影響を与えます。
一朝一夕にして出来上がるものではないので、長期間の積み重ねが求められます。
ブランド力を上げなければ・・・と内心思いつつ、技術、設備、人員等が最優先。
正直、広告、デザイン性などは全て後回しになります。というより、この世界は「技術力=ブランド力」と思っている人が多い気がします。
若手の採用が難しい
終身雇用制度は崩壊しつつあるけれど、若手の採用は難しくなってきている。「ものづくり」の世界も高齢化の波が押し寄せており、企業成長も伸びにくく、事業継承にも影響を与えている。
大企業から安定的に仕事を戴けるけれども・・・。
安定的なお仕事を頂けるけれど、下請けならではの怖さがあるような気がします。大手が増産すれば売り上げは伸びますが、減産すれば直接影響を受けます。増産したときの設備も売却せざるを得ない。また値下げ要求もあります。お取引先は多い方が良いと思います。
新規取引の時に、調査会社が訪問してくる。
これは弊社の体験談。
大手企業とようやく初取引が始まろうというときに、いきなり帝国データバンクや東京商工リサーチ会社が訪問してくることがあります。調査員が来るということは、どこかの企業が高い金額支払い企業調査をしているということを意味します。※電話のみの場合もあります。
調査員は、決算書提出だけでなく様々質問してきます。このとき調査依頼元は伏せて質問されるのですが、ここで嘘の証言や拒否をすると減点され印象が悪く取引がなくなることもあります。
幸い取引に影響がなかったですが、設立年数や決算書の提出はとても重要です。
特に設立年数の短いベンチャー企業は、最初の山場の一つになると思いますので気を付けてくださいね。
新規取引に時間がかかる。
何かを始めようとするときに、自分より大きな会社に協力して頂くときは時間が掛かる。
会社規模や信用力がないからしょうがないけれど、そこは信用力を得るまで耐えるしかないのかな・・・。
そうしているうちに商談があったら空中分解しやすい気がします。もしくは他社へと商談が流れやすいです。
環境によっては自己成長も遅くなる
会社の規模が大企業と違うから必然と一人の担当する金額が全然違ってきます。環境によっては視野の狭さや自己成長が遅くなる可能性もあります。
3.大企業と中小企業の「違い」
会社規模が大きいからこそ、統制を求める。
管理人は30歳頃まで小売業の大手企業に勤めていました。小売業なのでモノづくり世界とは少し違いますが、そこで感じたことは会社規模が大きいからこそ本部の力が強いことを感じました。なぜ本部の力が強いかというと全体統制を重要視しているからです。大手企業は大きな仕事は出来るので担当する金額も大きくなる。これは有難いと思う。しかし統制は強く求められる。突飛なことをすると始末書を書くことになる。(笑) 決められた範囲内での仕事を求められています。今思うと統制を重要視する理由の一つに世間からの「ブランド」イメージを損なわないことも関係しているのかな?と思います。中小企業は、開拓精神がないと会社は大きくなれないと思います。
担当する金額の違いは、責任感と緊張感と楽しさが違う。
中小企業の弱みN08に少しだけ書きましたが、大企業と中小企業では1人の担当する金額の違いを生みます。結果としてその人の経験値として大きな違いを生むと思います。規模が大きくなればなるほど責任は大きくなり緊張感と楽しさは増します。そしてこのことは、人として大きく成長をさせてくれると思います。
管理人は大手企業と中小企業の両方を経験しているので思い出して書いてみました。
当時は月間売上最高額4000万円(繁忙期)担当していたので、今思えばこんな経験はなかなか出来ないなぁ・・・と思いました。でも戦略的にみんなと協力しながら試行錯誤したのを覚えているのでこれは勉強になったなぁと思います。
中小企業は自分で全部やらなくてはいけない。
60歳で大手企業を退職し、第2の人生で中小企業に就職した方(Aさん)のお話を聞くことが出来ました。
Aさん「今までで一番忙しいよ~!!」
「一番働いている~~(笑)」
管理人「え?何でですか?」
Aさん「前の会社は、営業は営業、技術は技術、サービスはサービスと部署が分かれていた。」
「僕は営業だったから営業を深く追求すれば良かった。しかし、中小企業は何でもできなくちゃいけない」
「今まで人に任せていれば良かったけれど、今は自分で全部やらなくてはいけない。」
年上の方ですが仲が良いので、時々「教えて~!!」って会社に電話が掛かって来ます。
だけど覚えるのが大変そうでした。(笑)
この方が仰る通り、大手企業は担当部署に分かれている。故にその分野の専門性が身につくと思います。
中小企業は一人の担当範囲が広い。幅広い技術や知識を学んでいくことになります。