すごく大切なお話を聞くことができました。
「産学連携」はみんなが望んでいること。しかし実際は上手くいかないことも多いという。
下記は実際に産学連携の難しさを感じた方々のお話です。
第9回 板橋オプトフォーラムにて聴講 (2022年10月5日開催)
区制施行90周年記念事業 第2回東日本光学産業サミット
「東日本の光学産業振興地域の連携~画像処理 ✕ 光学~」
※共催:(公財)埼玉りそな産業経済振興財団
トータルプロデュースの必要性
開発から事業化するまで主に3つの流れがあり、それぞれ課題があるという。
これらの各過程を理解し各課題をスムーズに解決していくには、全体通しての「トータルプロデュース」の必要性を仰っていました。
①「研究」の課題とは?
・情報開示の限界
・コストの問題
契約で技術情報開示できず、身動きが取れなくなる。
国や大企業と開発する場合は必ず秘密保持契約(NDA)を締結しなければいけない。契約しなければ連携は出来ない。そのため技術やノウハウは一切開示できません。この契約が多くの縛りを生み、技術の告知・応用することができず新たなソリューションの誕生を難しくさせます。その他に開発費の資金やコスト問題も出てきます。
②「試作」の課題とは?
・専門分野の壁
・コストの問題
専門分野といっても、その範囲以外は難しい。
試作の際、実は自分たちの専門以外の分野は難しいのです。例えば距離を測定する光学設計の企業が試作に取組んでも、実際に部品駆動させる電気設計や機械設計の部分は分からないのです。その結果、試作でも他社との連携を必要とし予算以上のコストが掛かる場合があります。
③「事業化」の課題とは?
・事業化概念の乖離
・収益配分のバランス
会社によって事業化の考え方の違いがある。
試作を経て製品化し事業化の段階になってくると各社の違いが表面化してくるという。引き続き研究を続けたい会社、大量に販売したい会社、収益を確保したい会社等考え方の違いが生じてきます。また収益の配分バランスの難しさがあります。