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大きさや形状が違うから、同じ測定ができない。
弊社は、光学レンズの測定機の販売や開発を行っています。
光学レンズとは、
屈折や分散を利用して光を集束、散乱、成形したレンズのもの。その用途は、自動車、カメラ、医療用、顕微鏡、望遠鏡など多岐のわたり幅が広く、大きさも形状も材質も様々。無限大にありそう。。
よって何が難しいかというと、平面でもないし同じ大きさや形状ではないから、
同じ装置ですべてが加工や製造ができないし、出来上がった加工品を検査する測定機も同じ装置が使えない。
例えば、曲率が同じでも、Φ30mmとΦ1mmで測定しても透過率でも同じ値がでるとは限らないのだ。
なぜなら、大きさが違うからそもそも集光能力も違うし、同じ治具で測定なんかできない。
Φ1mmは特に小さすぎて、正しい位置にセッティングすることすら難しい。
この僅かなずれが、値に大きく変化させてしまう。
だから曲率が同じでも、比較が出来にくいのだ。
またレンズというのは、形状も様々。
凸レンズ、凹レンズ、メニスカスレンズ、シリンドリカルレンズなどなど。
形状が違うと光の集光、散乱が変わる。
非球面レンズなんて、さらに形状がややこしい。
今日は、メガネレンズの製造会社とお会いした。
メガネレンズは型で作る成形レンズが多い。技術的な設計や製造はそんなに難しくない。
しかしお話しを聞いていると、メガネレンズは違う問題で厳しさを感じた。
メガネは「医療」に関わるので、その製造方法や検査方法は指定されている。
指定されたもの以外は使いにくい環境だった。
なるほどなるほど。
そりゃそ~だ。
「医療」になると、別の問題が発生する。
生産、管理体制がより一層厳しくなる。
あらためて、
光学レンズって難しいわ~~と思った。
だけど難しいからこそ、楽しみもあるわ~~。笑
新技術とは、既知の技術を凌駕すること。
おっとぉ。
新しい技術の浸透が難しい理由が少しわかった。
新しい技術=新しい原理
だからだ。
新しいものを作りたい、触りたいと多くの人が思っている。
しかし、同時に多くの人は不安を抱える。
それはなぜか?
今までの方法と違うことは何が起こるのかが予測できない。
できれば今までの原理を変えずに、その延長で新技術を作りたい。
トラブルは避けたい。失敗はしたくない。面倒に巻き込まれたくない。
↑金額的に多くの損失を被りたくない。
だから既知の確立された原理をなるべく活かしたい。
いやいや、これじゃあ新技術にならない。
車でいうとマイナーチェンジにしかならない。
マイナーチェンジでは、現状は変わらないし根底を変える力がない。
このことに気が付いたのは、現在新しい装置を開発しようとしていた時だった。
光学技術的に新しいことに挑戦しようと専門家も呼び、議論していた。
専門家「この装置でしたら、既知の完成された技術を応用したほうが良い。」
「その方が精度が出やすい。原理が違ければ、同じ答えがでるとは限らない。」
弊社 「いやいや、それでは意味がない。」
「そうなると装置費用が高くなり、(予算の少ない)中小企業は導入ができなくなる。」
などなど、4人の技術者達があ~だ、こ~だと真剣に議論をしていた。
結果「何とかなるかもしれない・・・」と新しい技術で進めてみようという話になった。
どこでもある会話だけれど、
最初の段階では専門家は完成後の精度保証を意識していた。
このことは間違いではないと思う。正しい判断かもしれない。
しかし、新技術とは既知の技術を凌駕すること。
つまり原理が根底から変わるということ。
良い原理に巡り合えば、生産コストだって抑えることが可能になる。
そうなれば多くの問題が解決方向へ向かう。
言葉では簡単だけれど、
浸透した既知の技術を別の新技術に置き換えていくのはとても大変なこと。
それは、人々の心に
変わりたい!という気持ちと同時に変わりたくない!(面倒)という心があるから。
もし専門家のアドバイス通り「既知の技術」を前提に装置開発したら新技術は生まれないかもしれない。
ここが最初の分かれ道だった気がする。
勉強になるわ~~。(*^-^*)
技術1つ1つを数値化し、数値管理で加工や修正を行うこと。
多くの企業が何とかして、職人技を未来へ引き継ごうとしている。
そのうちの方法の一つは、
「職人の加工技術を数値化し、集積と解析すること」
加工技術とは、単に加工する部分だけではない。
一番最初の加工物を加工機の搬送するところから加工技術が始まっている。
搬送後さまざまな条件で加工し多くの段階を経て加工物が完成する。
これらの工程を全て数値化することが今後のカギとなる。
どの位置でどの角度でどのぐらいの速度で加工したか、温度は?湿度は?圧力は?振動は?などなど
加工条件や環境条件が山のようにたくさんある。
それらをできる限り「数値化」することで共通化し、
誰でも加工や修正を可能にすることができるのだ。
分かりやすい例でいうなら、
「色」でいうRBGやCMYKを数値で管理すること。
RBGやCMYKの1つ1つの色はすべて数値化されている。
これらをまとめたものが「色見本」になる。
色は混ぜることができるので、
数値管理されていれば誰でも同じ色が作れるという「再現性」が高まる。
再現性というのは、修正を可能にするのだ。
クリエイターの人たちは、この色数値をよく理解している。
だからちょっとでも色に違和感を感じるときは、数値で変更してくる。
数値が分かれば指示を受けた人たちは、誰でも自在に変更や修正ができるのだ。
これと同じことが、ものづくりの世界でも起きている。
数値管理が労働者不足や技術継承のカギとなっている。
実は管理人は「数値」という言葉が苦手だ。
なんか堅苦しくて、感覚人間にとってはやや拒否反応がある。
しかし「数値」には、技術継承ということを可能にし
誰でもできるという「再現性」を生むということを初めて理解した。
いや~、
「数値化」には重要な役目があるのね~~。。
これは需要なポイントだわ~~!!
求められているのは、メカトロニクス製品を作る先見の明をもった発想力と設計者
日本の中にいると、気が付かないことの一つ。
日本は良い意味でも悪い意味でも「部品大国」ということ。
展示会を見て歩くと、とにかく専門的でニッチな部品が多い。
正直マニアックすぎて、分かりにくい。
そして、よく見ると会場内は部品メーカーばかり。
(そういう展示会だから、よけいにそう感じてしまう。)
その展示会で出展している知り合いの社長とお話していると、あることに気がついた。
「先日もドイツの展示会に行ってきたんだ!」と仰ってたので
その社長に「なぜ海外の展示会に出展するのですか?」と、聞いてみた。
「用途があるかわからないけれど、テスト的に作ったものを出品してみる」とのこと。
そこの会社は積極的に海外の展示会に出展している。
ん?👀
使われるかわからないものを研究し、誰かの目に留まるのを待っているということ??
確かに日本国内ではやや閉塞感があり限界があることは間違いない。
知り合いの会社は確かに部品メーカーだった。
部品メーカーは、待ちの姿勢だ。
どこかの会社が完成した製品、つまり総合技術のメカトロニクス製品を作る企業から
(部品を供給してほしいという)声を掛けてくれるのを待っている。
そっかぁ。
日本はこういう企業が多いんだ。。
なっとく、なっとく!!
ということは、同時に日本はメカトロニクス製品を作るのが苦手なんだ。
アメリカは、「アメリカンドリーム」に象徴されるように、大きな野望を持っている人が多い。
成功を求め大きな視点で、大きな夢を持っている人が集まりやすい。
またそういう人たちが成功しやすいような土壌を持っている。
日本は、きめ細かさや繊細さが得意。
完成された製品よりも、その製品を構成している部品を仕上げるのが得意。
厳しい仕様があって要望を満たすのが日本の得意なところ。
限られた制限の中で「制御」し、どう活かすかを考えるのが得意。
つまり、マクロの視点とミクロの視点だ。。
アメリカはマクロの視点が得意で、日本はミクロの視点が得意なのね!!
これは、重要な気づきだわ!!
今、日本に求められているのは、
メカトロニクス製品を作る先見の明をもった発想力と設計者だ。
例えでいったら、
日本車が無い時代に国産車を生産したトヨタの創業者「豊田喜一郎」のタイプだわ。
参考: テレビドラマ LEADERS リーダーズ
大きな発見!!
今後、整備環境をどう整えていくかが重要になってくる。
今後社会不安の一つに、メンテナンス力の低下がある。
特に日本は人口が減少している。
ということは、若手技術者の減少は避けられない。
そうなると自動車、電車、航空機・・はもちろんのこと、
それらを構成する部品生産ラインでも日々のメンテナンスが大変になってくる。
また道路や電気、水道など含めた社会インフラのメンテナンス整備も重要だ。
しかし、技術者が足りない。
メンテナンスや整備は技術的知識だけでなく高い専門的技能が求められる。
しかも今時点ではAIではなく、「人」が手作業で行う仕事だ。
無人/自動開発も重要な技術だけれど、
今後整備環境をどう整えていくかも重要課題の一つ。
日々のメンテナンスを怠ると、社会は停止する可能性がある。
停電1つ起こるとその地域は日常生活だけでなく、買い物もできなくなる。
環境破壊による自然災害が増加しているなか、
整備を怠ったことが原因で天災が人災へと変わっていく可能性だってある。
ちょっと想像するだけでも怖い・・・。
あちこちで故障が起きるとさらに悪循環を起こすきっかけになる。
今までとは同じ生活を維持できない時代に突入したのかもしれない。
受け身の姿勢では、仕事が出来なくなる?
あちこちで、よく聞かれる話。
最近の若い人たちは、仕事に対して受け身の姿勢であると・・・。
マニュアル通りに仕事はこなすけれど、それ以上は積極的にしない。
自分から進んで仕事を取りにいかない。
会話もメールで済ませてしまう。
嫌な仕事はやりたがらない。
すぐに辞めてしまう。
上司が部下に気を遣い過ぎて、本当に本人のためなのだろうか?
パワハラ時代の方が人は育つのでは?
昭和時代のおじさん達は昔を懐かしく感じながら、自分たちの入社時の話をしてくれる。
当時はパワハラが許された時代。
今ではコンプライアンス違反と言われるような強引な営業をしていた。
半分脅しに近い感じで、営業を取ってきていたという。
上司は今よりも怖い存在であり、上司の命令は絶対だった。
今となっては昔の方が良かったように思う、という。
特に営業は、直接会話をして初めて仕事が取れる。
今の人たちは会話をしない。会話をしないから余計にわからない。
だから仕事ができない。仕事が面白くないから辞める。
それで本当に良いのだろうか・・・?
管理人も学校の先生は竹刀を持っていた時代だったので、よくわかる。
人が育つって何だろう??
仕事に面白さを感じていないのだろうか?
経費削減で子供向けイベントが変わる
未来の子供たちの為に興味を持ってもらおうと
自治体や企業、団体は、あらゆるイベントを開催している。
そういった主催者や関係者から時々
「予算が昔よりも減っている」
という声が本当に多くなってきたと感じる。
それは、やはり利益が出ていないから。
特に企業が主催する場合、削減しやすいところから経費を節約する。
その1つが、こういった子供向けのイベントなんだわ。
それでも関係者はなんとか子供たちの為に
自費で必要なものを作ったりする。
「以前はこういう筒を購入できたけれど、今回は手作りになりました。」
私たちが子供の頃の方が恵まれていたのかもしれない。
知らず知らずのうちに、教育環境は悪くなっているんだわ。
予算が少なければ、できることの制限が大きくなる。
逆に予算が多ければ、出来ることが広がる。
手伝わなきゃ!って思いました。
担当者がやりたくても承認が得られない。
やっぱり大手企業だって不自由なこと沢山あるよね~~。
ある製品で、感じたこと。
中小企業で生まれたある製品。
認知度も低いが、何となく売れそうな製品。
販売方法で、意見交換する。
「大手企業が参入してくると、太刀打ち出来なくなる。ブランド力が違う」
「いや、大手といえど簡単には参入の許可をしにくい部分がある」
「それに大手企業の場合は部品ごとまるごと交換になる」
「部品交換しないこの製品は、大手企業より価格を下げられる・・・」
「なるほど、そこは強みだよね」
なんて、
仮に大手企業が競合になった場合の話し合いが行われていた。
大手企業って守るものが多く、組織全体の機能を維持しないといけないからどうしても価格は高めなる。
それに利益、顧客を重視するのでマニアックなものや利益率が低いものは参入してこない傾向がある。
ここに中小企業の商機がある。中小企業はとにかく開拓が大変。
とはいえ大手企業だって、やりたいことは制限されている。
よく聞くが、担当者がやりたくても上司の承認が得られれない。
時間や労力をかけても認められない。
結局、何もしないほうが無難になる。問題は起こさない。
そうなると、担当者はつまらなくなるよね・・・。
新開発というのは、会社が大きくなればなるほど
社内から生まれにくくなるのは当然なのかもね。
材料の品質そのものが低下してきた。
いや~(>_<)
色々な日常生活品をみると
最近の日本は貧しくなってきたなぁ…って感じる。
食品は分かりやすいよね。
企業は合理化を進めるので、
内容量を減らし価格は据え置き・・・。
実質値上げはよくあるパターン。
これならまだ理解できる。
だけど、最近は品質そのものの低下を感じる。
味の低下が起こっている。
つまり、原材料そのものが変わってきている。
内容量、包装を変えるだけでは価格を維持できないところまで来ている。
しかも多くの商品でそのことを感じ、それは食品以外で衣服、化粧品、日用品、
家電製品などなど。あちこちで見られる。
この品質だから好きだったのに・・・・。
なんか悲しいな・・・(>_<)
と、感じることが多々増えてきた。
パッケージ変更は今まではバージョンアップを意味していたが、
最近はバージョンダウンになった。
原材料からダウンしている・・・。
こうなると
今までが贅沢だったのかもしれないですね。
マニュアル加工機があるからこそ、自動機の価値を高めることができる。
技術を継承するには、後継者や労働者がいなくてはいけない。
しかし人口減少や労働者不足の中、人材確保そのものが出来なくなってきた。
だから企業は、技術を数値化し自動装置でその技術力を確保しようとしている。
少なくとも現代において多くの企業がこの流れになっているのは間違いない。
しか~し、
全部自動化すれば良いというわけではない。
実は熟練の職人が使用する昔ながらの「マニュアル加工機」も必要なのだ。
マニュアル機の価値とは
マニュアル機があるからこそ作業者が基本的な加工技術や機械の特性を深く理解できる。
マニュアル機で失敗を重ねるからこそ、習得できる技術がその人本人に身につく。
それは原理から温度特性、材質、加工速度、治具などなど加工にはあらゆる知識と技術が身についていく。
熟練の職人は加工中の「音」すらも聞き分けるので異常音があれば故障個所が分かる。
そしてこれらの知識と感覚が極まると、その人の感性へと変わっていく。
つまり、人として大きく成長できるのだ!!
またこうした知識や経験は自動機を運用する上で重要な手掛かりになり操作がスムーズに行える。
どこをどう数値を変えたら良いのか瞬時にわかるようになってくる。
つまり、マニュアル機があるからこそ自動機の価値がさらに高めることができる。
大事なことをいろんな人に教えて頂きました!!
ありがとうございます!!(*^-^*)
ものづくりで学んだこと