「ものづくり」から学んだこと・感じたこと

CONTENTS


NO. 231~240

231.  現場では、我慢しながら使用している。

232.  現場には「答え」がある。

233.  イエスマンが増殖する原因  ~中間管理職40代の本音~

234.  実験に対する意識が新しい可能性を見出す

235.  私たちの表現力はAIに吸い上げられている。

236.  段々とAIが日常生活に入ってきた。

237. 改良力は継続力だ!

238. 育てるより、外注依頼がいい。

239. 大手企業の方が不自由なのかもしれない・・・。

240. 技術指導も一筋縄ではいかない。



231

現場では、我慢しながら使用している。

 

2024年3月10日 

装置に違和感を感じても使用し続けている場合がある。

今日はレンズ研磨会社さんから大切なお話を聞けた。

 

「我慢しながら、使っています」

 

どういうことかというと、

加工機や測定機は、長年使用していると必ず装置の部品が摩耗する。

日々のメンテナンスをきちんとされていても、

5年以上経てばどんな機械だって何かしら問題が発生する。

それはネジ一個かもしれない。当然ネジだって摩耗する。

そのネジ一個が装置全体に悪影響を与える。

そうなると、装置は購入時と同様の精度が出ない場合が多い。

 

故障までは至っていないけれど、なんとなく違和感を感じる。

製造会社に診断してもらいけれど、営業マンはなかなか来ない・・。

また、修理したくても出来ない。

なぜなら装置が1台しかないので、修理に出してしまうと製造が止まってしまう。

 

だから、

「オカシイと思っていても、我慢しながら使っています。」という。

この方曰く、多くの会社が同じ状態だという。

 

ではどうするか?製造を止めて

①部分的に修理する。

②もしくは装置全体を分解した修理、つまりオーバーホールする。

③そのままほっておく・・・。。

 

メンテナンス意識が高い会社は、①や②の修理をする。

理想は②だけれど、そうなると費用は高くなる。

製造現場では沢山の装置を保有しているから、全ての装置を定期的にオーバーホールするのは非現実的である。よって故障が発生した場合のみ部分的修理することが多い。

 

ただ中には修理費用を捻出出来ない会社だってある。

その場合は、だましだましで使用し続ける。

その結果、加工精度は徐々に悪化していく可能性が高い。

 

 

リアルな現場の声だわ!!

ここに大きなヒントを感じた。

よし!!

製造現場を止めずになんとか装置を長く使用してもらうようにしよう!!

社会的にも重要なお仕事だわ。 

 



232

現場には「答え」がある。

 

2024年3月17日 

営業は現場から「問題点」を吸い上げなければいけない。

株価が30年ぶりに最高値、急激な物価高、賃上げ・・・などニュースが飛び交う。

その中で個人的に増額してほしいなぁと思うのが、各企業の営業にかかる経費。

 

よく聞かれる。

「出張費が出ない。」

「確実な商談でない限り、会社訪問は認められない。」

 

長引く不況で営業にかかる経費は削減し続けた。

コロナの影響でリモート会議も普通に行われるようになった。

だから、お取引様へ直接訪問する必要がない・・・。

 

しか~し、リモート会議では「現場感」が伝わらない。

現場に行ったからこそ、見えなかったものが見えてくる。

 

現場には、「答え」がある。

 

先日、お取引様の生産現場を訪れた。

予定にはなかった作業員が

「あの~、聞きたいことがあるのですが後でちょっと質問しても良いですか?」

と、聞いてきた。

その後、30分以上は質問に答える状況になった。

 

営業は現場から「問題点」を吸い上げなければいけない。

リモートだけでは現場で起こっていることの全ては把握できない。

なぜなら、会議は制限時間があるからだ。

優先順位の高いものしか議題に上がらない。

また会議参加者は、トラブル回避のため必要以上なことは話したがらない。

 

これでは、本当に必要なものが見えてこない!!

 

だから、現場を見るための出張費は認めてあげて欲しい~~!!

その方が現場にとってより良いものが出来上がります。

 



233

イエスマンが増殖する原因  ~中間管理職40代の本音~

 

2024年3月24日 

挑戦するよりも波風立てない方が出世に響く

社会人としてある程度実績や経験を積んだ40代男性社員。

程よく脂が乗っている年代だ。

ここから大きな仕事をして出世したいと思う人は沢山いる。

 

しか~し、この年代になると重要になるのが仕事より社内政治。

 

仕事内容 < 社内政治

 

になっていくパターンも少なくない。

理由は簡単。

上司に気に入られないと出世しないからだ。

 

 

ここにイエスマンが増殖する原因がある。

嫌われた部下は、移動か退職を迫られることも少なくない。

出世コースから当然外れる。

だから、積極的に大きなことに挑戦しない。

ある程度軌道に乗っている会社ほど顕著だ。

 

先日、Aさんと大企業に勤めるBさんについて話をしていた。

私:「Bさんは、(ある装置で)もっと積極的に挑戦して攻めればよいのに!」

私:「新規開拓して売上を伸ばせば、大出世につながる装置なのに・・・」

Aさん:「僕もそう思うんだよね・・・」

Aさん:「だけど下手にイレギュラーなことをして挑戦するよりも、大人しくしていた方が出世に有利みたい」

 

な、なるほど!!

積極的にスピード感をもって進めないのは、社内政治を優先にしているからだ。

つまり挑戦するよりも社内を穏便に済ませる方が出世に直接響く。

失敗して脱落コースになるのは避けたい。

中間管理職の40代男性の本音だ。

 

この現象は多くの企業で起こっている。

自然と組織的にイエスマンが増殖するシステムになっている。

こりゃ~難しい問題だわ。

 

もしかしたら

最初から脱落コースを歩んでいる人ほど何かに挑戦して自由を得ているのかもしれない。

40代は難しい年代かもしれないですね。

 

そんなことを思いました。

 

 



234

実験に対する意識が新しい可能性を見出す 

 

2024年4月1日 

新しいことは、まず実験してみないとわからない。

 

先日思ったこと。

 

新しい可能性を見出すにとにかく実験が必要。

しかし、その実験するだけでも費用が掛かる。

なぜか・・。

 

それは実験のための治具を設計しなければいけないからだ。

無いものを作るんだから。

どんな装置でも、別の使い方が出来る可能性を秘めている。

しかしそのためには、保持するための新規設計の治具を要する。

 

その費用が出せますか?

 

簡単な治具でも、新規設計なので設計費+材料費で数万円はかかる。

高いものになると数百万円にも及ぶ。

大きな商談に繋がるなら費用は製造メーカーが負担することも多いが

小さな商談なら依頼元が負担する場合が多い。

数万円と聞いて、「結構です」と依頼を取り下げることも多い。

実験費用を捻出できないのが現実だ。

 

実験は成功するか失敗するかわからない。

実験してみないと出来るかどうかわからない。

だけど、そのためには実験治具が必要。

お金が掛かるなら、実験はしない。

 

実験がもっと活発になれば、

もっと新しいものが沢山できるなぁ!!と思いました。

 

 



235

私たちの表現力はAIに吸い上げられている。

 

2024年4月8日 

一度公開されれば、AIの情報源になってしまう。

最近よく思うことに一つ。

 

AI画像が活発化している。

ネットを見ても、ユーチューブを見てもAIが生成した画像が増加している。

 

しかし、よく見ると何か違和感を感じる。。

そう。まだ細部までの精度が低いから違和感として生まれる。

 

AI画像は、情報量が多ければ多いほど精度が上がる。

量が質を上げるからだ。

これは画像に限らず、文章も同じである。

だからマイクロソフトやグーグルなど巨大なプラットフォームをもつ企業ほど

AIの進化に有利であることは間違いないと思う。

 

この前提で気が付いたこと。

人が作ったクリエイティブなデザインやアートは、無意識にAIに吸い上げられているということ。

人が作ったものは、何らかしら必ず公開される。

たとえ本人が非公開にしていたとしても、カメラがあれば流出する可能性は高い。

そして一度公開されればAIの情報源の一つとして認識される。

 

知らず知らずに、人がAIを自然と育てていると思った。

 

つまりここで言いたいのは、

人が一生懸命制作したデザインは、AIがあっという間にアレンジし新しいものを作る。

近い将来、AIは強敵なデザイナーへ進化するでしょう。

たとえ個性的なデザイナーでも、いずれはAIにとって代わる。

 

人間の価値って何だろう?

あらためて「人間」ということを考える時代が来たのかもしれない。

 



236

段々とAIが日常生活に入ってきた。

 

2024年4月16日 

電話対応もAIになってきた。

あ‘‘~、忙しすぎ!!( ;∀;)

 

忙しくて記事が書けなくなってきた。

本当は挿絵も入れたいのだけれど、時間が掛かり過ぎて今は省略。

なんとか記事を書き続けることで精一杯。

 

そこで挿絵をAIに書いてもらう!!と挑戦しましたが、

望み通りの絵はそう簡単には描いてもらえない。

また何回もの描き直し指示は今の私にとっては時間の無駄に繋がってしまう。

しかし、生成AI技術は更に発展していくと思う。

 

AIで驚いたのが、最近は電話対応もAIになってきたこと。

まずは、保険の電話。

ある保険を見直し解約手続きをしようと電話したところ、

AIが電話対応していた。保険証番号が記載された書類を手元に用意し

指示通りに電話で、保険証番号や氏名を答える。

 

そして手続き完了。。

 

え!?

大事な保険なのに、人を介さない??

これは驚きで、衝撃だった。

「保険」という商品なだけに、大丈夫なのか??と思った。

 

後日、解約申請書が送られてきて書類上の手続き。

無事に解約に至った。

 

もう一つ驚いたことは、

ヤマト運輸の電話対応がAIになってきたこと。

荷物が行方不明になり、ヤマトへ電話したところ

AIが対応した。

 「はい」か「いいえ」でお答えください。

 「伝票番号をお伝え下さい」

そして、スマホに向かって「はい」と答え、伝票番号も声で読み上げた。

何だか妙な気分だった。

 

伝票番号はきちんと認識され、

「このお荷物は調査中であるので、担当者にお繋ぎします」と言われ電話は担当者へ変わった。

ここからは人が電話対応した。

 

 

あらら。( ;∀;)

電話は全てAIになっていくのね・・・。

コールセンターの仕事も無くなってくるわ。

同時に、意味の内クレームを言うお客も減少するかもしれないけれど・・。

 

段々とAIが日常に入ってきた証拠だわ。

そんなことを思いました。

 

 

 

 



237

改良力は継続力だ!!

 

2024年4月21日 

改良には多くの要素が盛り込まれている

ヒット商品につながるのは、改良力と思うようになってきた。

改良には多くの要素が盛り込まれている。

資金力、人材、技術、知識、時間、忍耐力・・・などなど。

資金力が無ければ改良は出来ないし、人材がいなければ改良そのものができない。

設計者が転職してしまえば、設計変更も時間が掛かる。

不具合1つを見つけ出すのも困難になる。

改良力は継続力ともいえるかもしれない。

正直、根気がないと改良し続けることは難しい。

しかし改良の継続が出来れば企業と商品の信用度は増しブランド力にもつながっていく。

ブランドとは企業を通して、その会社の姿勢を見ている・・・。

そう思うようになってきた。

 

さてさて、

弊社の開発製品がある企業で採用され3年近く経った。

不具合が出てきた。

使用頻度も高いせいか、以前には起きなかった症状が出てきた。

その企業は症状が出ても使い続けてくれている。有難い!!

分解して調査中ではあるが、技術者はソフトの問題なのかハードの問題なのかまだ特定出来ていない。

 

なるほど、なるほど!!

原因追及は、ソフトかハードかどちらか?から始まる。

これって、結構難しいなぁ。

あらゆる検証を行わないと特定できない。

またソフトとハードは密接な関係になっている。

部品1個故障してもソフトが正常に動かない。

 

納品直後は部品全部が新品だけれど、

年数が経てば部品は摩耗し、熱による破壊が進む。

そうなると故障の原因になる。

PCなんて分かりやすい。だから冷却ファンが重要になってくる。

設計上どこの部品をどのように配置するか・・・は数年たって重要になってくると思った。

場合によっては、設計を見直す必要だってある。

 

だから、改良は重要と思った。

改良力は継続力だ!!

 

 



238

育てるより、外注依頼がいい。

 

2024年4月28日 

無理して若手を育てようとは思わなくなってきた。

人材不足、転職、価値観の違い・・・

などなどで、以前より長期間人材を確保することが難しくなってきた。

 

そうなると、

若手を育てようと研修や教育するのが無駄に思えてくる。

なかなか育たない、すぐにやめちゃう。。

教育に意味があるのだろうか・・・?

と考える企業が増えてきた。

 

とにかく「即戦力」が欲しい!!

今すぐ売り上げを伸ばしたい!!

 

社内で育てるよりも、外に頼んだ方が良いじゃない??

という声が大きくなってきたように感じる。

つまり、

社内教育<外注

 

この流れは多くの企業で加速している。

外注の方が費用は高い。

だけど社内研修する方がもっと費用と時間が掛かる。

 

時代は変わった。

企業は無理して若手を育てようとは思わなくなってきた。

 

となると、圧倒的に技術のある会社や個人を外注先として選ぶ。

POINTは、外注先が会社だけでなく個人にまで及ぶというところ。

今後技術のある個人事業主はどんどん仕事が集中するでしょう。

 

世の中は2極化が進み、

勝ち組と負け組がより明確になっていくように感じました。

 

 



239

大手企業の方が不自由なのかもしれない・・・。

 

2024年5月6日 

何をするにも、「承認」が求められる。

ここ最近感じたこと。

実は、大手企業に勤めている方は不自由だった~~!!

 

大手企業は資金力はあるけれど、

自由に開発が出来ない。身動きが取れない。

とにかく中小企業の方は「自由さ」がある。

 

これってとても大事なことだ。

大手企業はとにかく上層部の「承認」が必要だ。

場合によっては、何人もの「承認」を頂けない限り前に進めない。

これが大手企業の「スピードの遅さ」に繋がっている。

またこの承認のために、社内政治も重要になってくる。

派閥争いにも勝利しなければいけない。

 

中小企業は、社長と社員との距離が近い。

よって簡単に承認が取れる。

その結果、新しいことが簡単に始められる。

社員がアイディアを出し、社長に簡単に相談することができる。

これってとても重要な事。

つまりイノベーションは中小企業に有利に働く。

 

また大手企業は規格外のことはやりたがらない。

カスタマイズは出来れば避けたい。

その理由はコストがかかり非効率的であることと、

もうひとつは「規格」内で保証しているから、

カスタマイズによって「規格内」の保証が出来にくくなるからだ。

ブランドがあるからこそ「保証範囲」は重要になってくる。

 

なるほどね!!

規格外に新しい可能性があるにもかかわらず、

「規格保証」を優先するので、製品の進化が起こりにくい。

社員もその点はよく分かっている。どうしようもできない・・・・。

 

う~~ん。不自由だ~~~!!( ;∀;)

 



240

技術指導も一筋縄ではいかない。

 

2024年5月12日 

企業文化の違いが反発を生んでしまう可能性がある。

 

ある中小企業でのお話。

中小企業は成長や技術力向上の為

定年を迎えた大手企業出身技術者を顧問にすることが多い。

企業側はそれまで培ってこられた技術力がとにかく欲しい!!

退職した技術者達は次世代の為自分のノウハウを是非活かしてもらいたい!!

これだけを聞くと、ウィンウィンの関係である。

 

しかし、技術指導も一筋縄ではいかないという。

なぜなら大手企業の方法を強引に伝授しても反発をするから。

それは企業文化の違いも関係しているように感じる。

テコ入れが入れば、多くのことを見直さなくてはいけない。

中にはその企業が大切にしていることまで指摘するかもしれない。

 

そうなると、

  「私たちには私たちのやり方がある!!」

と反発されてしまう。

その結果、技術指導は断念せざるを得ない。

 

このお話をたまたま2件続けて聞いた。

もちろん上手く行っているケースもある。

 

技術指導もなかなか上手くいかないのですね!!

 

 

 



ものづくりで学んだこと