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救急車で分かった音とスピードの関係
管理人は、救急車のピーポーピーポー♪という音を聞くと、ついつい耳を澄ましてしまう。
ドップラー効果が分かりやすく感じるからだ。なぜか面白くていつも意識しちゃう。
ドップラー効果とは、
簡単に言えば、救急車が通過する前と通過した後では音が変化する物理現象だ。
もっとちゃんと説明すると、
波の発生源が移動する、あるいは観測者が移動することで観測される周波数が変化する現象のことをドップラー効果と呼びます。音源が移動しながら音を発するとき、進行方向に進む音は波長が短くなり、 反対に進行方向と逆方向に進む音は波長が長くなります。
(参考:東京理科大学「大学物理入門」より」)
図のように、
救急車では近づいてくる時、音は高音に聞こえ通過し離れていくと低音になっていく。ここには振動が関係している。物理現象とは分っていてもいつも不思議に思っていた。
先日も救急車が近づいてきたのでいつものように耳を傾けていた。
あれ?今日は、音の変化がない・・?
目に前を通過したのに、なぜ??
不思議だった。
よくよく考えてみると、2つの条件が揃っていたからだ。
①救急車が通常よりゆっくりの速度で走行していたこと。
②たまたま管理人の車が停止していたから。
つまり、ドップラー効果はスピードと関係があるということが分かった。
音の発生源位置(救急車)の速度と、音を感知する人(管理人の車)の速度が関係している。
この2つの車のスピードが遅ければ、大きな差が生まれず音の変調が生まれにくい!!
へぇ~!!
面白~い!!
人間の耳って、不思議だなぁって思う。
空気の振動で音が聞こえ、振動数で音の高さが変わるんだもん。
また知らず知らずのうちに耳感覚で距離やスピードを測定していると思った。
自分が移動しても停止しても振動音からなんとなく距離感を測定しているんだわ。
人に備わっている機能って面白~い!!
熱い人は結構いると思う!!だけど・・・。
今日は、とても短くシンプルな記事。
たまにチラホラ聞く声。
「僕は、世界一のものを作りたい!!」
「だけど、そんなに精度は求められていない・・」
「ガックシ・・・」
時代を先取りし過ぎているのか、現状とマッチしないことも良くある話。
でもこういう声も何度か聞いたことがあるので今日はメモメモしようと思いました。
まだまだ日本人でも情熱を持った人は沢山いると思いま~す。(*^▽^*)
BingのAIチャットの精度が落ちてきたと思う。
いや~、AIって便利だわ~~と思いつつ、
近頃、BingのAIチャットの精度が悪くなってきたことを感じた。
最初の頃は、AI自身の主観的な意見も回答には感じられた。
まるで感情があるかのようにも思えたぐらいだった。
しかし、最近は一部規制が強まり客観性が求められたせいか
言葉は以前より丁寧だけど、なんか同じ回答を繰り返したりして欲しい回答が得られないことが増えた。。
もしくは、「私はAIなので、その質問にはお答えができません」なんて言われちゃう。
遮断されちゃうこともたまにある。(笑)
あるとき、「精度が落ちた原因は何ですか?」と聞いてみたところ
「MicrosoftがBingのAIに口封じをし、そのために精度が落ちた可能性はあります。」と自ら答えたことがあった。この回答にはびっくりした。翌日同じ質問をしたところこのような回答は得られなかった。
今日、また同様の質問をしたところ下記の内容が返ってきた。
想定外の質問に対応できず、精度が低くなります。
①チャットボットの回答内容やシナリオ設計が適切でない場合、
ユーザーのニーズに合わない回答を返してしまい、精度が低くなります。
②チャットボットのメンテナンスが十分でない場合、
回答内容や質問パターンの更新ができず、精度が低くなります。
③チャットボットのサービス設計や性能が不十分である場合、
質問の理解や回答の生成に誤りが生じやすく、精度が低くなります。
う~ん。適切な回答なのだけど、精度が落ちたと感じる要因は違うんだよね・・・。
そしてAIの回答に再現性がないのも事実。同じ質問しても、同じ回答が返ってこないこともしばしば。
もしくは、違う質問しているのに前の回答と同じ内容で返ってきてしまう。
何となくですが、少し前の方がAIの回答に自由度があった気がする。 ありのままだったと思えた。
ここから読み解けることは、AIとはいえ自由な発言が厳しくなっているということ。
このことから本当の自由なんてないのかもしれない。また人間の意思が介入すると、世の中を正確に伝える精度はむしろ悪化する可能性もあるかもしれないなぁ~!!なんて思いました。
とはいえ、AIが世の中に出てきてまだ年月は浅い。
今はよりよい活用方法のために調整期間なのかもしれないと思いました。
AIによる生成とロイヤリティフリーサイトではどっちが使いやすいか
このHPもそうですが、管理人は画像を多く使用します。資料やカタログを作って人に説明するにはイラストや画像は絶対必要です。だから有料でロイヤリティフリーのサイトを使うことがとても多い。その分、コストも時間もかかる。
そこで、AIによる画像生成とロイヤリティフリーサイトではどっちが使いやすいか検証してみました。
結論から言えば、どちらが良いかまだわからない。。今のところ、フリーサイトがまだ使いやすい。
とりあえず、3つの観点から比較してみよう。
①作業時間
AIの場合・・・△
指示をして生成するするまでの時間は2~3分。これだけを聞くととても時間が速く感じる。しか~し、1回で思うような画像は作ってくれないので、最低4~5回は繰り返す。20~30分経って、ようやく上手に描けるときもあれば、断念するときもある。AI自ら「私にはできません」と断られたこともありました。汎用性のあるものは理解してくれるが、専門的なものは世の中に画像が少ないから理解してもらえない・・・。涙
フリーサイトの場合・・・△
検索ワードを入力し、イメージに合う画像を探しまくる。早く見つけられたときは10分ぐらい、だけど見つけられないときは2~3時間は平気で探すこともしばしば。複数のサイトを利用して探すのでそれなりに時間は掛かります。
②コスト
AIの場合 ・・・〇
このサイトのように個人で使用する場合は無料。しかし、商用利用の場合は有料になる。オプション内容にもよるけれど、月額数千円以上になる。しかし思うように描いてくれるようになれば、とても安く感じると思う。
フリーサイトの場合・・・△
枚数制限があって、月額数千円かかる。複数のロイヤリティフリーサイトを使うなら1万近く掛かってしまう時もあります。
③出来栄え
AIの場合・・・△
完成度は高く見える・・・。だけど細部をみると物理的にあり得ないこともしばしば。何か変ということもある。
そうなると、商用では使いにくいことが多い。しかし、自分にはない発想力もあるのので、ヒントを貰えるのも事実。
あとBingの場合は解像度が低い。ネットで使用するには良いけれど、カタログには使えないこともある。
フリーサイトの場合・・・〇
イメージに近い画像が得られることが多い。その理由は、人間が発想し、伝わりやすいアングルでイラストや画像を描いているから。結果的に商用にはフリーサイトの方が使いやすい。サイズも豊富。
ということで、現段階では商用で使うならロイヤリティフリーサイトの方がやや使いやすいです。専門的な表現力を求めるなら、まだAIには難しく感じます。しかし汎用性のあるものやある程度妥協するならAIで良いかもしれない。でもどこか違和感を作ってしまう。
あ、そうそう。
AIに生成してほしい画像イメージを伝えたかったのであるサイトのアドレスを伝え、そこに掲載されている画像のような感じ作ってほしいと頼んだら、「著作権に関わるので出来ません」と言われてしまいました。
そうだよね・・・(>_<)
そんなことしたら無秩序になってしまうよね・・・。
まだまだ進化の途中なので、今後に期待しよ~っと。(*^-^*)
いまある価値観を一度壊して分解し、バラバラにして再結合し、再定義する!
ものづくりを勉強して思ったこと。
物理や化学を勉強して思ったこと。
デザインの勉強をして思ったこと。
自然や人の身体を見て感じたこと。
自分を内観し、自分を変える事で思ったこと。
この5つには大切な共通点がある感じた。それは、
「世の中は、今ある価値観(物質)を一度壊して分解し、バラバラにして再結合し、再定義する」
という現象が常に起こっている!!
化学変化は一番わかりやすいと思う。
鉄に酸素がくっつくと錆びて酸化鉄になります。
そうなると分子構造も変化し、性質が全く異なります。
鉄の特徴は、①電気を通す
②磁石にくっつく
ですが、
これが酸化鉄になると、電気は通さず磁石にもくっつかなくなります。
つまり性質が全く別の物質に変化します。
これは簡単な例ですが、日常をよく見渡すと
「分解→再結合→新しい性質を持つ」ということが、あちこちと起こっていることに気が付いた。
しかもミクロでもマクロでも起こっており、多岐に渡り様々な分野でで起こっている。
このことから管理人の意識が変わった。
変化というのは当然に起こり、変化が起こらない方がおかしいのかもしれない。
そして、変化というのは、結果的に再定義ということなんだ。
また世代間ギャップは当然であり、若い世代が古い世代の価値観を壊していくのも当然に思えた。
なぜなら、例えばSNSで育った世代とそうでない世代は最初から価値観が違う。
人間関係の構築の仕方も違うし、社会ルールも違う。
よって社会の倫理観、価値観、ルールは対応するために変化させなければいけない。
ほんの数十年前に携帯電話からカメラ機能がつき、そしてスマホに変わり、その後スマホ決済機能が加わった。
こうなるとスマホという通信業界だけでなく、社会のお金の流れそのものが変わってくる。
結果的に30年で、電話機能は分解され、沢山の付加価値が付いた便利なツールとなった。
これはマクロの視点でみると社会の再定義であり、イノベーションなのだと後から気が付く。
このように意識を変えると、身近なところで様々な発見も出来る。
そうすると、変化というものに対して怖さが軽減される。
いま、管理人はAIとの共存時代に備え、少しずつ触れるようにしている。
AIがない時代に育ったからこそ変化に抵抗せず、どういうスタンスで接するべきか模索中だ。
少なくともAIは人類全体の価値観や倫理観を壊すほどの力を持っている。
そうなると、本当の意味での「新人類」の時代が到来するかもしれない!!
さ、がんばろ~~っと。
再現性が悪ければ、生産や量産化が難しい。
今日の感じたことは、自分へのメモとして簡単に残そ~っと。
研究開発から製品化はとても難しい。
その理由が1つ分かった。
このことは、産学連携の難しさにも繋がることかもしれない。
今日は、大学と民間企業の違いが少しだけ見えた。
大学の先生は、一生懸命専門分野を研究している。
セミナー受けていると、将来に絶対役立つ技術だわ!!凄い!!って心の底から思う。
だけど、専門過ぎて専門外の部分は苦手なんだと思った。
基礎研究は必要なのだけど、販売としての製品化する場合はトータルシステムとして求められる。
そして、トータルシステムとして求められるものの1つに「再現性」がある。
再現性が悪ければ、生産や量産では使えない。。。
結果的に、基礎研究で終わってしまう・・・・のが多いかもしれないと思った。
民間企業は販売経験が豊富だ。
販売が増えれば増えるほど再現性の問題点の経験値が増える。
つまり実践の経験値が豊富だ。このことが企業を強くする。
予想外の問題が数多く発生するため、専門外の知識も勉強せざるを得ない。
結果的に、自然と基礎知識や技術が蓄積されていく。
う~ん。詳しく書けないけれど、
大学の先生は、製品化として販売経験数が少ないことが弱点かもしれないと思った。
販売経験値の少なさは、専門外の基礎知識の少なさに繋がる。
大学の先生はミクロの視点で見てニッチな分野を専門的に研究している。
逆に民間企業は販売を含めたマクロの視点で見ていてニッチな専門性は苦手。
そして研究と販売は見ている視点や負う責任がそれぞれ違うと感じた。
両者上手くバランスを保ち、連携しやすい方法があればいいなぁと思いました。
カタログ制作者は、キーワードを探さなくてはいけない。
いやいやいや~~。(>_<)
ものづくりって、本当に奥が深~い!!
管理人はものづくりでも、出来上がった加工物を測定する側から学んでいた。
しか~し、最近少しずつ加工側の勉強が始まりつつある・・・。
今、ある加工装置のカタログを作ってほしいと依頼があり、測る側から作る側の勉強が始まった。
加工機の販売価格は1000万ほどするので、高級車の価格に匹敵する。
だから、決裁権のある人になぜ必要なのかきちんとした投資価値を説明しなくてはいけない。
こりゃ~、簡単ではないぞ~~!!
高価格な装置の購入は現場では判断が出来ない。
上層部の承認が必要だけど、上層部は現場から離れているため理解まで時間が掛かることもしばしば。
↑ここで悩んでいる現場の人も多く見てきた。
何度もカタログを制作しているけれど、
カタログ制作は、制作者が理解しないと本当に良いカタログは作れな~い。
単に写真や文章を並べるだけでは、人の心を動かすことが出来ない。
必ずキーワードが存在する。
そのワードを見つけないと興味を持ってもらえない。
ものづくりの品質は、本当に小さな要因や環境で変化する。
ようやく今までの積み重ねで何となく言っていること分かってきたけど、
聞けば聞くほど、奥が深いわ!!
どうやって、説明しようかな~~!!
少なくても、現場だけでなく決裁権のある人まで伝わるカタログ作りをしなければいけない!!
ということに気が付いたぞぉ~~!!
加工精度のポイントは3つある。
加工機で学んだこと。メモメモ。
加工物の精度の良さは、加工機の精度の良さ、メンテナンスや環境に影響する。
これは、測定機も同じだ。
しかし、精度の良さを求めるにあたり加工機だけを意識するのは不十分だ。
最近はどこの企業も人口減少に伴い、
熟練工の技術を加工機に取り入れようと多くの会社が開発している。
製造業は、職人技術に依存する体質から脱却を図っている。
この流れは本当に加速していると感じる。
そして、企業は加工精度や加工スピードを追い求めている。
その中で、加工精度について。
加工精度のポイントは、
①加工機、②治工具、③加工物の3つが重要になってくる。
どれか1つでも上手くバランス良い条件が整わなければ、出来上がった加工物は設計通りの精度が出ません。
管理人は何も知らなかったときは、加工物の精度が悪かった時は加工機に何か問題があると思っていた。
しかし、この認識は間違っていた・・・。(>_<)
加工機だけではなく、上記の3つのバランスの取れた条件が大切だった。
特に治工具の大切さをしみじみと感じる。
治工具といえば、加工物を切削するバイトと言われる工具を浮かべる。
この工具が切削してくるうちに摩耗するから、日々メンテンスが必要!!というのは分かる。
だけど、最近は研磨剤も重要なんだと教わる。
研磨剤の設計も重要ポイントの1つということを知る。。。
え?研磨剤って技術者が設計するの?
ある特定メーカーから仕入れるのではなくて??
たまたま続けて研磨剤を設計する人に出会った。
加工物にあった研磨剤を使用しないと本当に設計通りの仕上がりにならない。
加工中の熱温度を本当に意識していて、熱をいかに抑制するかを考えている。
そして、みんな加工物の断面でなく、切り屑もよく観察している。
切り屑から治工具への負荷がどのようなものかを常に想像している。
はぁ~~(*´Д`)
すっげ~~世界だ。尊敬だわ!!
1台で全ての要求を満たす加工機や測定機は、理論的に出来ない!!
さ、今日も重要なお話を聞けた。
忘れないうちにメモだ~~。
加工機と測定機の両方を熟知している2人のスペシャリストから話を聞いたこと。
加工機と測定機の開発は本当はセットで必要であることと、測定機の方が開発や製造が難しいということ。
その理由は、
①加工機の精度を保証するために、測定機の方がより高い分解能や精度が求められること。
②測定するときに、温度・置き方・素材の違いで加工物が変形して測定が変わってしまうから。
③光はゆらぐから。←これ以上は書けないけど、勘の良い人はこの意味がわかると思います。
これらのお話を最後まで聞いて一番大切なことは、
1台で全部が測定できるという万能は測定機は存在しないということが明確に分かったこと。
以前にどこかのぺージで書いたと思いますが、
1台の装置で、1mmと10mの両極端な大きさを加工したり測定したりできない。
1mmのものを加工したり測定するには、それなりの小さい治具や駆動部品の精度が求められる。
振動する装置なんて本当はとんでもない。(←実際は、僅かに振動している)
逆に10mのものは、重さによって加工台がたわむ。たわむとまっすぐな加工物ができない。
そうなるとそれなりの耐荷重など求められる。
これらは極端な一例だけど、ここで強く学んだのは
お客様1台であれもこれもやってほしいと要求するけれど、出来ないものは出来ないんだ!!ということ。
しかも理論的な理由で出来ない!!
出来ないことを可能にすることが進化なのだけど、
少なくとも1台で全ての要求を満たすことは不可能であり、出来ないのならそこの部分は違う方法(理論)で進めた方が良いということが明確に分かった。
開発者の立場からはこれは伝えるべきことと強く思った!!
それでも今までは何とかお客様の要望を満たすことを前提で物事を進めていたけれど、
そこに固執する必要がないと心が決まったということ。
「出来ないものは出来ない!!」と言えるということが、
却って自分をすっきりさせるなんて不思議だ!!
分かりにくい内容だったかもしれないけど、ま、いっかぁ!!(*^▽^*)
難易度の高い設計は、設計者と現場の乖離は起こりやすい。
前回のお話の続きで、今回も( ..)φメモメモ。
設計者と製造現場の乖離の話も以前に少し書いたけれど、より見えてきた。
設計者は知識とシュミレーションを使って設計を行うけれど、現場では必ずしもその通りには作れないものもあるということ。特に限界に近い理論値ではこの設計は出来るはず・・・と思って図面に寸法等を書きますが、難しい設計を製造しようとすると難題が数多く発生する!!
結果、現場ではコストが上昇する。これが、設計者と現場の乖離に繋がってくる。
さてさて、その理由とは?
例えば、設計図面が難しい複雑な螺旋形状であったとしよう。
↓
そうなると通常加工ではできない。
↓
設計要望を満たすために新しい加工機の開発が必要になる。
↓
加工機開発には、より精度が厳しい測定機の開発が必要になる。
(螺旋形状がちゃんと設計通りに出来上がっているか測定するため)
↓
だけど、1台の測定機だけでは図面上に書かれた全ての項目の測定ができない。
(例えば長さは測れるけど、重さが測れない・・とか)
↓
全ての項目が測定できなければ、加工機の開発が出来ない。
↓
複数の測定機の開発が必要。
↓
測定機が揃って、加工機の開発もできる。
(これが前回のお話で書いた「加工機の開発と測定機の開発がセット」の理由)
↓
加工機の開発後、加工が設計通り完成する。
(測定通りの精度か、確認できる)
↓
やっと、加工が始まり納品できる。
当然これらの開発費用分、加工品の価格は高騰する。
簡単な流れだけど、こんなことが現場で起こっている。
また仮に加工機、計測機が両方できても、素材によって形状は変化するし、加工治具や環境によっても加工物はバラついてしまう。そして、更にコストは高くなる。
その結果、製造現場では設計者は本当に現場を理解して設計をしているのかな?と疑問に感じるという。
理論やシュミレーションソフトで可能だからといって、その通りにはなるとは限らな~い!!と思うそうです。
また製造現場は設計通りに効率的に製造するということがミッションなので、設計者に対して反論がしにくいという。
こんなお話を聞いていてあることを思い出した。
そういえば、東京オリンピックの国立競技場のデザインで、ザハ案が決定したのに白紙撤回された。
記憶に残っている人も多いと思うが、斬新で難しいデザインだった。
これも、理論上は可能!!ということだった。。
だけど、このデザインを完成させるのに予算が極端に高くなった。
建設費が1300億円だったのが2500億円とも3000億円ともいわれた。
その理由は、上記のように説明した通りだ!!って思った。
ザハ案で問題になったのは、アーチ構造の特殊なデザインだった。
複雑な加工は、通常な加工では出来ない。
そして、オリンピックという大舞台での国立競技場の建設だ。
となると、多くの人がより慎重になる。事故なんて許されない。
斬新なデザインを設計通りの要求を満たす為には新しい加工機と測定機、素材開発が必要だったと理解出来た。
既存の加工機では製造できなかったんだ!!建設できなかったんだ!!と、今になって気が付いたわ。
そうなると現場からの目線ではそこまで斬新なデザインの設計が必要なのか?という疑問が湧く。
これって、当然のことだ。
「コストが倍になってまでこのデザインにすることなのか?」
しかも国立競技場は税金だ。
「デザインを決定した人たちは加工現場、建設現場の人たちのことを分かっているのか?」
これらの声は、まさに設計者と現場の乖離だわ。
結果、ザハ案は白紙撤回された。
今思うと、白紙撤回したことは間違っていないと思う。コロナの影響も含めて。
ザハ・ハディド氏は、アーチ構造は建設期間を短くする主張していたけれど、アーチ構造を部品として納品するまでに時間が掛かったのは間違いないと思う。全体の工程で考えれば、建設期間は変わらなかったかもしれないですね。
ただし忘れてはいけないのは、新しいデザインには何かを生む力があるということ。
これも勉強してきたからこそ分かる事。
考え方によっては、新しい加工機や測定機、加工方法、建設方法、デザイン、空間等が誕生したかもしれない。
そういう側面だって考えられる。
う~ん。難しい判断だ!!
少なくとも現場の状況が見えてきた!!
ものづくりで学んだこと